東京のお祭り。
「お祭り」とひと口に言ってみても、その種類はいくつかに分けられることにあらためて気づきました。
神社のお神輿が出るお祭り、お寺の盆踊り、踊りを見せることを主体にしたもの、市(市場)のお祭り、商店街などが主体となった街のイベント的なお祭り、仮装行列のお祭り、花や木のお祭りなど。
この中で、神社のお神輿が出るお祭り、お寺の盆踊り、踊りを見せることを主体にしたものから10ほど選んでみました、勝手に。
他のお祭りも3つずつ選んでみました、これも勝手に。
さて、行ってみましょう。
わっしょい、わっしょい。
神田祭
山王祭とともに、日本三大祭り、江戸三大祭り、東京三大祭りに数えられる神田祭(5月開催)。
大祭は隔年、山王祭の大祭と交互に行なわれます。
大祭は、神輿や行列が通過する都内の道路を交通規制して行なう大がかりなもの。
江戸時代は山車が曳かれるお祭りでしたが、明治以降都市化が進み曳かれなくなりました。
関東大震災で山車はすべて消失してしまったそうです。
埼玉の川越まつりでは、今でも人形が載った山車が曳かれています。
おそらく江戸の神田祭の山車もあのようなものだったかと。
曳物(ひきもの)と呼ばれる「大鯰(おおなまず)」や「花咲か爺さん」などのはりぼての行列「附け祭り(つけまつり)」も面白いです。
山王祭
神田祭とともに日本三大祭り、江戸三大祭り、東京三大祭りに数えられる日枝神社の山王祭(6月)。
大祭は隔年、神田祭の大祭と交互に行なわれます。
大祭には祭礼行列が都内を練り歩きます。
その他にも茅の輪くぐり、稚児行列、納涼祭りなどが開かれます。
茅の輪くぐりは、ぐるぐると境内を3週してくぐるものです。
6月と12月に行なわれ無病息災を祈ります。
三社祭
浅草寺本堂の隣に位置する浅草神社の例大祭(5月)。
東京三大祭りのひとつとされます。
三社祭は3日間あって、それぞれに内容が異なります。
一日目は、大行列、びんざさら舞奉納などがあります。
二日目は、町内神輿約100基が渡御する盛大なもの。
三日目は、本社神輿3基が各町内を渡御します。
三日目が本社神輿によるクライマックスで盛り上がります。
一日目の浅草のあの参道を練り歩く大行列や一風変わった田楽のびんざさら舞奉納も面白いです。
深川祭り
富岡八幡宮(深川八幡宮)の例大祭(8月)。
江戸三大祭りのひとつ。
「水掛け祭」とも呼ばれ、文字通り神輿の行列に水を掛けます。
びしょびしょです。
観客も一体となってなかなか楽しいお祭りです。
くらやみ祭り
府中にある大國魂神社(おおくにたまじんじゃ)の例大祭(5月)。
文字通りくらやみの中で神輿が渡御します。
夜の神輿渡御はなかなか雰囲気があっていいです。
こちらのお祭りも数日間いろいろな神事を執り行います。
この大國魂神社は秋のくり祭り(栗祭・9月)で山車がでます。
この山車ではお囃子の音で面をつけた子供が踊ります。
これがとてもいいんです。
大人が踊っている山車も一部見かけますが(大人の方が踊りは上手)、子供の方はかわいい。
この山車がくらやみ祭りの中日あたりでも出てます。
本門寺御会式
日蓮の入滅した日に行なわれるお祭り(10月)。
実は、ここで選んだのはお寺のお祭り。
神輿がでるのは神社のお祭りで、お寺のお祭りは普通、盆踊りが多いですね。
この御会式は、万灯と「南無妙法蓮華経」と書かれたうちわ太鼓を打ち鳴らしながら街を練り歩き、池上本門寺に参拝します。
東京のお寺のお祭りとしては、大規模で盛大なもの。
池上の町中に屋台が並ぶ様も壮観です。
東京高円寺阿波おどり
実は、東京は地方からお祭りを移植してくるパターンが多いなとあらためて思いました。
この東京高円寺阿波おどり(8月)も徳島の阿波踊りを持ってきたパターンですね。
阿波おどりは、さまざまなお祭りの踊りの中でも芸術性が高いのではないでしょうか。
集団で手を縦にしてゆらゆら揃いながら踊り、個々が広がったり、密集したり、緩急がついたりと、躍動感と高揚感があります。
また踊りもさまざまで、団体によって自由に阿波おどりを表現しているのも見ていて飽きさせません。
鳴り物の音も、あくまで生。
これがやはりいいです。
以下のお祭りは、ほとんどがスピーカーから音楽を流しているスタイルですね。
原宿表参道元氣祭 スーパーよさこい
こちらも高知のよさこいを持ってきたパターン(8月)。
この原宿表参道元氣祭 スーパーよさこいは、若い人が中心のダイナミックで情熱的な激しい踊りが特徴的。
こちらも各団体がその踊りを披露します。
揃いの派手な衣装も見ていて楽しいです。
同時開催のうどん天下一決定戦との組み合わせも面白い。
新宿エイサー
こちらは沖縄のエイサーを持ってきました(7月)。
これ、新宿という場所がいい。
都心新宿の街中で、沖縄のエイサー。
非日常性が際立ってます。
浅草サンバカーニバル
最後は、海を越えてリオのカーニバルを持ってきちゃいました(8月)。
最近は各地でサンバカーニバルがあるようですが、浅草がやはりピッタリな感じがします。
その他のお祭り
市のお祭り
市(市場)が開かれるお祭りです。
「朝顔」や「ほおずき」、酉の市は商売繁盛の「熊手」です。
浅草は「羽子板」もありますね。
他には「だるま市」や「風鈴市」などでしょうか。
街のイベント的なお祭り
これは何と言っていいかちょっと迷いましたが、「街のイベント的なお祭り」と中途半端なネーミングです。
出店中心のお祭り。
「阿佐ヶ谷七夕まつり」(8月)は商店街のお祭りといった感じ。
「福生七夕まつり」(8月)も街のかなりの広さにわたっての開催。
落語にちなんだ「目黒さんま祭り」(9月)では無料でさんまが食べられますが、行列を覚悟しなくてはさんまにありつけません。
他には、国際色豊かな出店が楽しい「麻布十番納涼まつり」(8月)なども人気。
仮装行列のお祭り
仮装行列を見て楽しむお祭りです。
「ひの新選組まつり」(5月)は新選組に扮した行列が楽しいです。
日野は近藤勇、土方歳三はじめ新選組を立ち上げた面々の故郷なんですね。
「しながわ宿場まつり」(9月)は「おいらん道中」が人気。
11月3日に浅草で見られる「白鷺(しらさぎ)の舞」も大変面白いです。
鳴り物の音に合わせて舞いを見せてくれます。
花や木のお祭り
花の開花や木の紅葉に合わせて開催されるお祭り。
「梅」「ぼたん」「つつじ」「あじさい」「藤」「バラ」「菊」などがありますね。
それに「さくら」の祭りは多いでしょうね。