当たりました。

大当たりです。

何って?

迎賓館の見学ですよ。

応募しておいたら、当選のメールが来たのですよ。

迎賓館(赤坂離宮)は国宝建造物(建築物)ですよ。

ああ、でも中は撮影禁止なんです、すいません。

その代わり、やはり年に数回しか公開しない東京のもうひとつの国宝建造物、正福寺観音堂の中の写真をお見せします。

では、さっそく行ってみましょう。

迎賓館 赤坂離宮

迎賓館(赤坂離宮)

迎賓館赤坂離宮です。

旧東宮御所ですね。

現在では、国賓、公賓の宿泊施設、外交の場として利用されています。

迎賓館の内覧をするには、事前に申込をしないといけません。

詳しくは下にあるURLからご確認ください。

片山東熊

この立派な建物は片山東熊(かたやまとうくま)の設計です。

彼は、旧岩崎邸、旧古河邸、ニコライ堂などの設計をしたジョサイア・コンドルに学びました。

東京駅の設計でも知られる辰野金吾と同期です。

鎧兜

正面の上に乗っている左右二つの緑のものですが、これは鎧兜(よろいかぶと)なんです。

和風のものが西洋建築に載っているのは不思議な気もします。

片山東熊は長州藩の武家の出なんですね。

この迎賓館は明治以降の建築物として初めての国宝と言われています。

ということは、関東大震災に耐え、先の戦争での空襲からも逃れたんですね。

壁もだいぶ厚く造られているそうです。

中の見学も説明員の方がいろいろお話をしてくれます。

小磯良平 『絵画』『音楽』

この迎賓館では、洋画家、小磯良平『絵画』『音楽』の大作を観ることもできます。

迎賓館 小磯良平『絵画』『音楽』
http://www8.cao.go.jp/geihinkan/img/akasaka/big/bgei09-08.html

ジーンズの謎

これ、私は不思議だったんです。

違和感すら感じました。

『絵画』ではモデルがスタンバイする前でしょうか、準備をしていて絵を描いていないんです。

『音楽』では演奏前のくつろいだ様子の若者たち、まだ演奏も始めていません。

もしかすると、それぞれ「絵を描く」と「演奏」が終わった後かもしれません。(休憩中?)

いずれにせよ、これは「まさにそのタイミングではない」という瞬間です。

しかも手前で印象的な若者もジーンズ

カジュアルです。

フォーマルではなく。

ここは、まさに国賓を迎え入れる迎賓館の大ホール。

おそらく正装した国賓を迎える絵画としてこれはあるわけです。

注)さまざまな施設としての利用から迎賓館になった際に、この絵は掛けられたようです。

ここにあえて、フォーマル(正式、公式)な(まさにその)タイミングではない、カジュアルでくつろいだ舞台裏を見せる意図は一体なんなのか。

ここで説明をしている方にも聞いたはみたものの、よく分らないとのことでした。

そこは、美術館ではない

金ぴかな豪奢な建物にこの中間色の色彩、そしてこの縦長の画面に横並びに押し込められた群像も窮屈……。

とは言っても、この特別なシチュエーションは画家にとって難しいでしょう。

場所自体に意味があり、美術館のように絵を鑑賞するだけの場所ではないからです。

絵の周りの装飾の影響下に絵が置かれることもあります。

画面も壁の物理的な制約からサイズを決められているでしょうし。

この群像表現なら、横長の構図の方が自然ではないでしょうか?

縦長ならルーベンスの『キリスト降架』みたいな動的な構図か、青木繁『わだつみのいろこの宮』のように縦に人物を配するかになりそう。

一方で劇的、ファンタジックな印象にもなるため、どちらかというと静的な人物像の印象のある小磯良平にはしっくりこない気もします。

でも、小磯はこの絵の上部に大胆な抜けの空間をつくり、群像と対比させて絵画的な面白さを表現しています。

美術館とはまた違った場所にある絵、あなたはこの絵をどうみますか?

迎賓館 赤坂離宮 背面の噴水 ※夏の前庭公開日撮影
迎賓館 赤坂離宮 背面の噴水 ※夏の前庭公開日撮影
迎賓館 正門
迎賓館 正門 ※夏の前庭公開日撮影

迎賓館赤坂離宮
http://www8.cao.go.jp/geihinkan/

交通アクセス
JR中央線・総武線「四ッ谷」駅下車、赤坂口より徒歩約7分
東京メトロ丸ノ内線「四ッ谷」駅下車、1番出口より徒歩約7分
東京メトロ南北線「四ッ谷」駅下車、2番出口より徒歩約7分

正福寺地蔵堂

正福寺地蔵堂

東京にあるもうひとつの国宝建造物(建築物)。

東村山市にある正福寺地蔵堂(正福寺千体地蔵堂)

室町時代の建立です。

正福寺地蔵堂

あ、いたっ!

触ったら指先が切れそうな屋根のソリです。

正福寺地蔵堂内 千体地蔵
正福寺地蔵堂内 千体地蔵

ここの内部が公開されるのは下のサイトによると年に3日。

この日に行けば中も見ることができます。

地蔵堂の中では、小さいお地蔵様がたくさん納まっています。

正福寺地蔵堂
https://www.city.higashimurayama.tokyo.jp/tanoshimi/rekishi/furusato/bunkazai/fukikae.html

交通アクセス
西武新宿線「東村山駅」より徒歩

狭山公園

正福寺からかなり歩きますが、狭山公園では多摩湖を気持ちよく眺めることができます。